限定承認とは?効果と手続

限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務等を弁済すべきことを留保してする相続の承認で、民法にその意義・要件・手続が定められています。ここでは関係する条文の内容を、事実のとおり中立に整理します。

意義:得た財産の限度で弁済する留保付き承認(民法922条)

民法922条は、「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる」と定めています。これが限定承認です。被相続人の債務等の弁済は、相続によって得た財産の限度に留保される点が条文上の特徴です。

条文定めている内容(条文の趣旨)
民法922条相続によって得た財産の限度においてのみ債務・遺贈を弁済すべきことを留保して承認できる(限定承認)
民法923条相続人が数人あるときは、共同相続人の全員が共同してのみ限定承認をすることができる
民法924条限定承認は、熟慮期間内に相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、その旨を申述してする

共同相続人がいるとき:全員の共同申述(民法923条)

民法923条は、「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる」と定めています。相続人が複数いる場合、限定承認は一部の相続人だけで行うことはできず、共同相続人全員が共同してする方式によるものとされています。

手続:財産目録の作成と家庭裁判所への申述(民法924条)

民法924条は、「相続人は、限定承認をしようとするときは、第915条第1項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない」と定めています。限定承認は、熟慮期間(915条1項)内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所へ提出し、申述する方式によって行うものとされています。

条文の起算点について:924条の手続は915条1項の期間(熟慮期間)内に行うものとされ、その期間は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算すると915条1項に定められています。具体的な事案での起算点や手続の進め方は個別事情により判断されます。

位置づけ:3つの選択肢の対比

民法は、相続人が相続に対してとりうる対応として、単純承認・限定承認・放棄を定めています。それぞれの条文上の位置づけを対比すると次のとおりです。

区分条文上の効果・要点
単純承認無限に被相続人の権利義務を承継する(民法920条)。一定の事由で承認とみなす法定単純承認がある(921条)
限定承認相続によって得た財産の限度で債務等を弁済する留保付き承認(922条)。共同相続人は全員共同で(923条)、熟慮期間内に財産目録を作成し家裁に申述(924条)
相続放棄家庭裁判所に申述してする(938条)。放棄者は初めから相続人とならなかったものとみなす(939条)

いずれを選ぶか、具体的な該当性は事案ごとの個別判断となります。

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よくある質問

限定承認とは何ですか?

相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務および遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができます。これを限定承認といいます(民法922条)。

共同相続人がいる場合の限定承認は?

相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができます(民法923条)。

限定承認の手続はどのように行いますか?

相続人は、限定承認をしようとするときは、民法915条1項の期間(熟慮期間)内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければなりません(民法924条)。

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