遺留分は放棄することもできます。ただし、相続が始まる前に放棄するには家庭裁判所の許可が必要です。ここでは、遺留分の放棄について定める民法1049条の内容を、条文の事実のとおり中立に整理します。遺留分そのものの考え方は遺留分の割合のページを参照してください。
民法1049条は、「相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。」と定めています。つまり、同条は次の2つの内容を定めています。
| 項 | 対象 | 条文の内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 相続開始前の遺留分の放棄 | 家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる |
| 2項 | 共同相続人の一人の放棄 | 他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない |
民法1049条1項は、相続の開始前における遺留分の放棄について、家庭裁判所の許可を受けたときに限り効力を生ずると定めています。条文上、許可がなければ相続開始前の遺留分放棄は効力を生じないことになります。なお、条文は「相続の開始前」の放棄について許可を要件としており、相続の開始後(被相続人の死亡後)の遺留分の放棄については、1049条はこの許可の要件を定めていません。
民法1049条2項は、共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさないと定めています。条文上、ある相続人が遺留分を放棄しても、その分が他の相続人の遺留分に上乗せされるという扱いにはならないことになります。
「遺留分の放棄」と「相続放棄」は別の制度です。遺留分の放棄(民法1049条)は、遺留分という最低限の取り分を放棄するもので、相続人の地位そのものは失いません。これに対し相続放棄(民法938条・939条)は、家庭裁判所への申述により相続人の地位そのものを放棄し、初めから相続人とならなかったものとみなされる制度です。どちらに該当するかで効果が大きく異なります。
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▶ 法定相続分を自動計算する民法1049条1項により、相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生じます。許可を受けない放棄は効力を生じないとされています。
民法1049条2項は、共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさないと定めています。したがって、一人の放棄によって他の相続人の遺留分が増えるわけではないとされています。
異なります。遺留分の放棄(民法1049条)は遺留分という最低限の取り分を放棄するもので、相続人の地位は失いません。これに対し相続放棄(民法938条・939条)は相続人の地位そのものを放棄し、初めから相続人とならなかったものとみなされます。