遺留分を侵害されたとき、いつまでに請求すればよいのか。ここでは、遺留分侵害額請求権の期間制限を定める民法1048条の内容を、条文の事実のとおり中立に整理します。請求権そのものの根拠は民法1046条です。
遺留分を侵害された遺留分権利者は、受遺者や受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できます(遺留分侵害額請求、民法1046条1項)。この権利を行使できる期間を定めているのが、次の民法1048条です。
民法1048条は、「遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」と定めています。つまり、同条は次の2つの期間を定めています。
| 起算点 | 期間 | 条文の内容 |
|---|---|---|
| 相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時 | 1年 | 1年間行使しないときは時効によって消滅する |
| 相続開始の時 | 10年 | 10年を経過したときも、同様に消滅する |
「知った時から1年」は、相続が開始したことと、自分の遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことの両方を知ってから進行します。これに対し「相続開始の時から10年」は、これらの事実を知っていたかどうかにかかわらず進行する期間制限です。条文が定めているのは、上記のとおりこの2つの期間の枠組みであり、個別事案で起算点がいつになるか等は事案ごとの判断となります。
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▶ 法定相続分を自動計算する民法1048条により、遺留分権利者が、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。
民法1048条後段は、相続開始の時から10年を経過したときも同様に請求権が消滅すると定めています。これは権利を知っていたかどうかにかかわらない期間制限とされています。
遺留分を侵害された遺留分権利者が、侵害額に相当する金銭の支払を請求できることは民法1046条に定められています。その期間制限を定めるのが民法1048条です。