任意後見契約とは?公正証書と監督人選任

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任意後見契約とは、判断能力が十分なうちに、将来、判断能力が不十分になったときに備えて、自己の生活・療養看護・財産管理に関する事務を受任者に委託し、代理権を付与しておく委任契約です。根拠法は「任意後見契約に関する法律」(平成11年法律第150号)で、2000年(平成12年)4月1日に施行されました。法律で能力が制限される法定後見(後見・保佐・補助)とは異なり、本人が元気なうちに自らの意思で備える点に特徴があります。ここでは制度の枠組みを中立に整理します。

任意後見契約の内容

任意後見契約は、委任者(本人)が、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護および財産の管理に関する事務の全部または一部を受任者に委託し、その委託に係る事務について代理権を付与する委任契約とされています。委託する事務の範囲(どの財産管理・どの手続を任せるか)は、契約のなかであらかじめ定めておきます。任意後見人となる予定の受任者を「任意後見受任者」といいます。

公正証書による作成

任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならないとされています。口頭や私的な書面では足りず、公証人が関与する公正証書による必要がある点が、この制度の重要な要件です。契約が締結されると、その内容が登記され(後見登記)、契約の存在と代理権の範囲が公的に記録されます。

項目内容(概要)
根拠法任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号)
施行2000年(平成12年)4月1日
契約の方式法務省令で定める様式の公正証書による
効力発生家庭裁判所が任意後見監督人を選任したとき
監督任意後見監督人が任意後見人の事務を監督

効力発生と任意後見監督人

任意後見契約は、締結しただけでは効力が生じません。本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから効力を生じる仕組みです。任意後見契約が登記されている場合に、精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、家庭裁判所は、本人・配偶者・四親等内の親族または任意後見受任者の請求により、任意後見監督人を選任します。任意後見監督人は任意後見人の事務を監督し、本人の利益が守られるよう機能します。

法定後見との違い

成年後見制度には、本人があらかじめ契約で備える「任意後見」と、判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が後見人等を選任する「法定後見(後見・保佐・補助)」があります。任意後見は、誰に・どの範囲の事務を任せるかを本人が自分で決められる点が特徴です。一方、法定後見は本人の判断能力の程度に応じて類型が分かれ、付与される権限の範囲も法律の枠組みに沿って定まります。どちらが適するかは本人の状況によります。

制度の位置づけ(イメージ)
判断能力が十分なうちに契約 → 公正証書を作成・登記 → 判断能力が低下 → 家庭裁判所が任意後見監督人を選任 → 任意後見契約が効力発生 → 任意後見人が代理権の範囲で事務を行う、という流れになります。

相続・遺産分割との関係

任意後見は本人の生前の財産管理等を支える制度であり、本人が亡くなると任意後見契約は終了します。その後は相続が開始し、誰が相続人にあたるか・各人の法定相続分が問題になります。生前の備えと相続開始後の手続は別物として整理しておくと見通しが立てやすくなります。

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よくある質問

任意後見契約とは何ですか?

委任者が、判断能力が不十分な状況における自己の生活・療養看護・財産管理に関する事務を受任者に委託し、代理権を付与する委任契約です。任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号・2000年4月1日施行)に基づき、判断能力が十分なうちにあらかじめ備えておく制度です。

任意後見契約はいつ効力を生じますか?

公正証書で作成して登記したうえで、本人の判断能力が不十分になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから効力を生じます。これにより受任者は任意後見人として、契約で定められた代理権の範囲で事務を行います。

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