再転相続とは(民法916条)

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再転相続とは、ある人(第一の被相続人)が亡くなり、その相続人が承認も放棄もしないまま熟慮期間中に亡くなった場合に、さらにその相続人(第二の相続人=再転相続人)が、第一の相続を承認するか放棄するかを選ぶ地位を引き継ぐ場面をいいます。たとえば「祖父が亡くなり、その相続の手続をしないうちに父も亡くなった」というケースです。ここでは民法916条の考え方に沿って中立に整理します。

どういう状況で起きるか

相続人には、相続を単純承認するか、放棄・限定承認するかを選ぶための熟慮期間(原則3か月)があります(民法915条)。この期間中に、選択をしないまま相続人自身が亡くなると、その相続人が持っていた「選ぶ地位」は宙に浮くわけではなく、次の相続人へ引き継がれます。この引き継いだ人が再転相続人です。

再転相続人は、(1)自分自身が第二の被相続人(例:父)から受ける相続と、(2)第二の被相続人が持っていた第一の相続(例:祖父の相続)についての選択権、という二つの相続に向き合うことになります。

登場人物立場
第一の被相続人(例:祖父)最初に亡くなった人
第二の被相続人(例:父)承認・放棄をしないまま熟慮期間中に死亡した相続人
再転相続人(例:子)先の相続の承認・放棄を選ぶ地位を承継

熟慮期間の起算点(民法916条)

民法916条は、相続人が承認・放棄をしないで死亡したときは、先の相続についての熟慮期間は、その者の相続人(再転相続人)が「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算すると定めています。つまり、亡くなった相続人(父)が事情を知っていた時点ではなく、地位を引き継いだ再転相続人(子)が知った時が基準になります。これにより、事情を知らないうちに選択の機会を失うことがないよう配慮されています。

ポイント
再転相続では、第二の相続(父の相続)と第一の相続(祖父の相続)を別々に判断できます。判例上、再転相続人は父の相続を承認しつつ祖父の相続だけを放棄する、といった組み合わせも認められると解されています(第一の相続だけ放棄することが可能)。ただし、先に父の相続そのものを放棄すると、祖父の相続を選ぶ地位も失う点に注意が必要です。

数次相続との違い

「再転相続」と混同されやすい用語に数次相続があります。数次相続は、遺産分割などが済まないうちに相続が重なり、権利義務そのものが重ねて承継されていく場面を指すことが多い言葉です。これに対して再転相続は、まだ承認も放棄も決まっていない「選択権」を引き継ぐ点に力点があり、後の相続人が先の相続を単独で放棄できるなどの特徴があります。実務ではどちらの局面かで手続や判断が変わるため、区別が重要です。

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よくある質問

再転相続と数次相続は何が違いますか?

再転相続は、相続人が先の相続について承認も放棄もしないまま熟慮期間中に亡くなり、その相続人の相続人が「承認するか放棄するかを選ぶ地位」を引き継ぐ場面をいいます(民法916条)。数次相続は、遺産分割などが済まないうちに相続が重なって発生し、権利義務そのものが重ねて承継される場面を指すことが多い用語です。再転相続では、後の相続人は先の相続を単独で放棄することもできる点に特徴があります。

再転相続で、先の相続の熟慮期間はいつから数えますか?

民法916条により、先の相続についての承認・放棄の熟慮期間は、後の相続人(再転相続人)が「自己のために先の相続の開始があったことを知った時」から起算されると解されています。亡くなった相続人が知っていた時点ではなく、地位を引き継いだ再転相続人が事情を知った時点が基準です。具体的な期間の判断は事案により異なるため、専門家に確認するのが確実です。

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