遺贈の目的となった財産に、すでに第三者の権利(質権・抵当権など)が付いていることがあります。たとえば住宅ローンの抵当権が設定された不動産を遺贈するようなケースです。このとき受遺者がその権利を消してもらえるのか、を定めるのが民法1000条です。
質権・抵当権その他第三者の権利の目的である物又は権利を遺贈の目的としたときは、受遺者は、遺贈義務者(原則として遺言者の相続人)に対し、その権利を消滅させるべき旨を請求することができません(民法1000条本文)。つまり、受遺者は権利が付いたままの状態でその財産を受け取ることになります。
| 項目 | 取扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 第三者の権利付き財産の遺贈 | 権利は付いたまま | 民法1000条本文 |
| 受遺者の消滅請求 | できない | 民法1000条本文 |
| 遺言者の別段の意思表示 | 優先 | 民法1000条ただし書 |
もっとも、これは遺言者の通常の意思を推定した規定にすぎません。遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従います(民法1000条ただし書)。たとえば「抵当権を抹消したうえで引き渡す」旨を遺言で定めていれば、その意思が優先されます。
遺贈義務者が目的物を引き渡す際の状態については、別に遺贈義務者の引渡義務(民法998条)が定めています。第三者の権利が付いている場合の取扱いを定める1000条と、引渡しの基準となる状態を定める998条は、それぞれ別の場面を規律する規定です。
誰が遺贈義務者(相続人)になるかは家族構成で決まります。家族構成を入力すると法定相続分をその場で自動計算・可視化できます(登録不要・無料)。
▶ 法定相続分を自動計算する原則として消してもらえません。質権・抵当権その他第三者の権利の目的である財産を遺贈の目的としたときは、受遺者は遺贈義務者(遺言者の相続人など)に対し、その権利を消滅させるべき旨を請求することはできません(民法1000条本文)。
あります。遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従います(民法1000条ただし書)。たとえば抵当権を消したうえで引き渡す旨を遺言で定めれば、その意思が優先します。