配偶者の税額軽減(相続税法19条の2)

配偶者の税額軽減は、被相続人の配偶者の相続税を大きく軽減する制度です。ここでは、これを定める相続税法19条の2の内容を、条文および国税庁タックスアンサー No.4158に基づいて中立に整理します。具体的な計算や適用は税理士等の専門家への相談も検討してください。

制度の概要:いずれか多い金額まで非課税

被相続人の配偶者が相続または遺贈により取得した財産については、配偶者の課税価格に相当する金額のうち、次のいずれか多い金額までは、配偶者に相続税がかかりません(相続税法19条の2、国税庁タックスアンサー No.4158)。

基準金額
(1) 一定額1億6,000万円
(2) 法定相続分相当額配偶者の法定相続分に応ずる課税価格

つまり、配偶者が取得した財産の額が1億6,000万円までであれば、配偶者に相続税はかかりません。さらに、配偶者の法定相続分相当額が1億6,000万円を超える場合には、その法定相続分相当額までは相続税がかかりません。

条文のポイント:基準は「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額です。配偶者が取得した財産が法定相続分の範囲内であれば、1億6,000万円を超えていても配偶者に相続税はかかりません。

具体的なイメージ

ケース配偶者の取扱い
配偶者の取得額が1億6,000万円以下相続税がかからない
取得額が1億6,000万円超だが法定相続分相当額以下相続税がかからない
取得額が1億6,000万円と法定相続分相当額のいずれも超える超える部分に相続税がかかる

たとえば配偶者と子が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1です(民法900条1号)。配偶者がこの法定相続分の範囲内で財産を取得すれば、配偶者の税額軽減により相続税はかからないことになります。

適用を受けるための要件

配偶者の税額軽減の適用を受けるには、次の点に注意が必要です(相続税法19条の2、国税庁 No.4158)。

要件内容
申告の必要原則として相続税の申告書(税額軽減の適用を受ける旨等を記載)の提出が必要
分割の確定原則として相続税の申告期限までに遺産分割が行われ、配偶者の取得額が確定した財産が対象(未分割財産は原則対象外。一定の手続により後日適用できる場合がある)
仮装・隠蔽財産仮装または隠蔽されていた財産は税額軽減の対象にならない
要点まとめ:①「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額まで配偶者は非課税/②適用には原則として相続税の申告が必要/③原則として申告期限までに分割が確定した財産が対象/④仮装・隠蔽財産は対象外(相続税法19条の2)。

注意:いわゆる「二次相続」への視点

配偶者の税額軽減は配偶者に大きく相続税を軽減する一方、その後に配偶者が亡くなったときの相続(いわゆる二次相続)では、この軽減は使えません。一次相続でどれだけ配偶者に財産を取得させるかは、二次相続まで含めた全体の税負担に影響し得るため、個別の判断は専門家に相談することが望まれます。本ページは制度の一般的な説明であり、特定の取得割合を推奨するものではありません。

法定相続分を自動で計算する

配偶者の税額軽減の基準のひとつは「配偶者の法定相続分相当額」です。家族構成を入力すると、誰が法定相続人になり、配偶者の法定相続分が何分のいくつになるかをその場で自動判定・可視化できます(登録不要・無料)。税額軽減の前提となる法定相続分の確認にお使いください。

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よくある質問

配偶者の税額軽減とは何ですか?

被相続人の配偶者が相続または遺贈により取得した財産については、配偶者の課税価格に相当する金額のうち、(1)1億6,000万円と(2)配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です(相続税法19条の2、国税庁タックスアンサー No.4158)。

配偶者の取得額が1億6000万円を超えると必ず相続税がかかりますか?

いいえ。基準となるのは1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額です。配偶者の法定相続分相当額が1億6,000万円を超える場合は、その法定相続分相当額までは相続税がかかりません。配偶者が取得した財産が法定相続分の範囲内であれば、1億6,000万円を超えていても配偶者に相続税はかかりません。

配偶者の税額軽減を受けるには申告が必要ですか?

適用を受けるには、原則として相続税の申告書の提出が必要です。また、原則として相続税の申告期限までに遺産分割が行われ、配偶者の取得額が確定している財産が対象となります。仮装または隠蔽されていた財産は税額軽減の対象になりません(相続税法19条の2)。

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