遺留分を侵害された相続人が侵害額を請求できる遺留分侵害額請求権には、いつまでに行使しなければならないかという期間の制限があります。これを定めるのが民法1048条です。短い期間と長い期間の二段構えになっています。
遺留分侵害額請求権は、次の期間が経過すると時効によって消滅します(民法1048条)。
| 起算点 | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 相続の開始及び遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時 | 1年 | 民法1048条前段 |
| 相続開始の時 | 10年 | 民法1048条後段 |
すなわち、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと時効消滅し、また、知っていたかどうかにかかわらず相続開始の時から10年を経過したときも同様に消滅します(民法1048条)。
かつてはこの権利は「遺留分減殺請求権」と呼ばれ、原則として贈与・遺贈の目的物そのものを取り戻す(現物を共有状態にする)制度でした。2019年7月1日施行の改正により、名称が「遺留分侵害額請求権」に改められ、侵害額に相当する金銭の支払を請求する金銭債権へと整理されました(民法1046条)。期間制限を定める1048条の「1年・10年」という枠組みは、改正の前後で基本的な考え方が引き継がれています。
請求権そのものの内容(金銭債権であること)は遺留分侵害額の計算方法(民法1046条)で、時効の枠組みを請求権の根拠とあわせて整理した解説は遺留分侵害額請求の時効でそれぞれ扱っています。本ページは民法1048条の期間制限と2019年改正の位置づけに焦点を当てて中立に整理しています。
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▶ 法定相続分を自動計算する遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。相続開始の時から10年を経過したときも同様です(民法1048条)。
2019年7月1日施行の改正で、従来の「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」に改められ、目的物そのものを取り戻す現物返還が原則だった制度から、侵害額を金銭で請求する金銭債権へと整理されました(民法1046条)。